『ルドルフ・シュタイナー、希望のある読書』2017年11月18日(土)39 回
2017-11-18


別の側から見てみましょう。死者の肉色・肌色はどのように見えるでしょうか。それは、私たちの記憶世界全体を、絨毯の上に描かれたもののように示します。イメージ的に語るなら、この肉色・肌色の絨毯を、非常に繊細な衣のように表象しなくてはなりません。手袋を裏返すように、この衣を裏返してみます。そうすると、いつもは内側に向いているものが、外側に見えます。内側に向けられていたので、思考内容ではなく、記憶として意識のなかに現われます。思考内容は揺れ動いており、さまざまなオーラの姿をとって現われます。私たちが自分の意識下に送り込むものを、その外的ないとなみにおいてのみ知ります。それがいかに私たちの肉色・肌色をとおして輝いているかを、私たちはしりません。死者はそれを、肉色・肌色の作用が残ることによって知ります。死者は形成力体(エーテル体・生命体)の解消を振り返ります。そして、形成力体を記憶として背後に有し、「これは形成力体だ。これは私だ」と知ります。
 自然科学ではあまり考察されない「人間と動物との大きな相違をなす直立能力・言語能力・思考能力」は、人間が死後、宇宙に持っていける力です。死後に記憶の残りとして作用するものを、此岸で物質的に表現するのが肉色・肌色です。私たちは死後も、宇宙に自分を伝達します。そして、地上の物質的身体のなかに、宇宙的存在としての私たちを示す外的な印があります。
 私たちは肉色・肌色に対して、神秘的な感情を持ちます。私たちが人間のなかに見出すものが宇宙的な意味を持っているという感情を、私たちは持ちます。「人間という小宇宙は、自分の肉色・肌色をとおして大宇宙に向かい合う」という感情です。そして、基本となる色が大きな意味を持ちます。それが、死者に記憶を呼び起こす絨毯の色だからです。白人は緑か緑がかった青、日本人は赤みがかった菫色、黒人は死後まさに肉色です。
 これは、死から再誕までの人生に密接に関係する、意味深い事実です。このことが、次の受肉を準備します。こうして、人間は次の受肉において、決まった人種に導かれます。」

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