『ルドルフ・シュタイナー、希望のある読書』2017年11月18日(土)39 回
2017-11-18


R・シュタイナー著『色と形と音の瞑想』(西川隆範訳、風濤社)、29〜32ページにわたる「肌色の秘密」より「肉色」「死者の色」を抜粋させていただきました。
 身近なところに生命の深い意味を受けとめることができる。そのことをこの本は示してくれます。そして、シュタイナー神秘学は、人間が死後、宇宙に持っていける能力を三つあげています。
 先ずは、お読み下さい。

「 肉色 
 現代は乾燥した、味気なく、生気ない時代です。この時代に、まったく畏敬の念なしに扱われているものがあります。それは本当は、物質界のなかで最も神秘的なものです。物質界のいたるところにありながら、だれもその神秘的な性格を感じとっていないものです。それは、人間の肉色・肌色です。人間の肉の色として、外に示されるものです。
 人間の肉色・肌色に向かい合うと、余すところなく個人が現われ出ます。根本的に、肉色・肌色は各人で異なっています。人間の数と同じだけのニュアンスの肉色・肌色があります。肉色・肌色の解明に関わると、肉色・肌色のなかに表現されるものを、感じることができるでしょう。肉色・肌色のなかに現われ出るものは、非常に不思議なものです。
 精神探究者は、「そもそも肉色・肌色とは何か」という問いを抱きます。大きな意味のある問いです。肉・肌の独特の色は、相互に作用する二つの力に左右されます。形態のなかで相互に作用する圧縮力に左右されます。その圧縮力は、人間のなかで活動します。つまり、エーテル体=形成力体(生命体)は外に向けて押す働きをします。反対に、アストラル体(感受体・想念体)はあらゆる位置で、内に向けて押します。
 アストラル体が収縮して、外から内に押そうとすると、エーテル体=形成力体は内から外に押して、拡張しようとします。人間の表面で、外から押す力と内から押す力が出会うことによって発生するものが、人間の肉色・肌色のなかで作用します。エーテル体とアストラル体の相互作用が、肉色・肌色のなかに表現されます。
 人間が物質界でどのようであるかが、その人の肉色・肌色に現われています。しかし、肉色・肌色を内から外に眺めることができるなら、別様に見えます。うちから外に眺めると、平均的なヨーロッパ人の肉色・肌色は薔薇色ではなく、緑かかった青色です。この緑かかった青色は、死後においても示されます。人間の形成力体=エーテル体が拡張し、死者がこの構成体を眺めると、彼岸の影響を受けた自分の肉色・肌色が見えます。死後、肉色・肌色は緑がかった青色の微光を放ちます。
 物質生活を外から眺めてみましょう。そうすると、私たちに向かい合うものとは本質的に別のものを、肉色・肌色は含んでいます。厳密には、肉色・肌色の神秘性は、個人個人で異なっているだけではありません。わずかではあっても、人生の経過のなかで、肉色・肌色は変化します。健康状態によって、私たちは生気にあふれているように見えたり、青白く見えたりします。病気という異常状態における大きな変化を度外視しても、肉色・肌色は絶えず変化しています。

 死者の色

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